さて、結婚している女性の場合、フルでは働いていないけれどパートで働いている方って多いですよね。家庭の事情や子育てが落ち着くまでは専業主婦でいる方もいらっしゃるでしょう。
こんにちは、しばちゃん。今回は「パート・専業主婦編」です。よろしくお願いします。
今回も、将来のためにしっかり勉強しておきたいです!よろしくお願いします。
そうですね。子どもができると、それぞれの家庭の考え方により働き方も異なってきますね。
でも、子育てや住宅費、老後のために「我が家のお金を増やしたい!」という点では、皆さん同じ思いなのではないでしょうか。
そうなんです。
私のオフィスにも、専業主婦やパートの方が相談に来られますよ。「家計を預かっているんだけど思うようにお金を貯めることができない……」と悩んでいる方は多いですね。夫に「しっかり稼いできているんだから家計管理は頼んだよ」なんて言われても「足りない……」なんて中々言えませんからね。
また、夫は年収ベースで考えるんだけど、妻は税金や社会保険料が引かれた後の手取り額で考えます。だって、家計は手取り額でやりくりしないといけないですからね。夫が考えている金額と妻がやりくりしている金額との間に差があることも良くあります。
リアルなお話、参考になります!
「妻名義のお金」って?
専業主婦やパートだから「自分の名義で貯蓄や投資をしてはいけないのではないか?」と思っている人がいます。夫の稼いだお金だからってね。
実際には、夫の稼いだお金で妻名義の貯蓄や投資はできるんですか?
大丈夫ですよ。
基本的には妻が家庭を守り、夫が外で働いて家庭を築いているわけですから、妻の名義でもできます。
良かった~!
妻が独身時代に貯めていたお金や、妻の親の相続や贈与で金融財産があるという場合はどうですか?
そのようなお金は、「妻だけの自分名義のお金」です。大切にして欲しいです。
ちなみに、「離婚」の際には、結婚してから貯まった財産は夫婦で分けますが、その財産分与には、独身時代に貯めたお金や自分の親などからもらったお金は除かれます。そのお金は、夫と分けなくてよいお金なんです。
芸能人の離婚騒動などをみていると、最初は仲が良くても、結局離婚に至るケースが結構ありますよね。
人生何が起こるかわかりません。女性の皆さんには自分名義のお金をしっかり持っていて欲しいと思います。現在収入のない専業主婦の方ならなおさらです!!
そうですね。私も独身のうちにしっかり貯めておきますね。
結婚してからも、自分のために自由に使えるお金って大事ですよね。
そのとおり(笑)。
ぜひ「お金に強い女性」をめざして欲しいです。しっかり情報収集をして着実に資産を増やしていきましょう。
はい!!
投資を始める前のお約束
さて、毎回お話している「投資を始める前のお約束」です。
まず、将来何に、いくらのお金が必要で、そのためには毎月・毎年いくらの積立貯蓄と積立投資ができるのかを計算して欲しいんです。
以下のお金を除いて使えるお金から、投資に回せるお金がいくらかを把握しましょう。
生活費や、使う目的がはっきりしているお金は確保しながら、「当面使う予定のないお金」を、将来の老後資金などを作るために「投資」に回します。
長期投資で増えると言っても、いつも増え続けるわけではないからですよね。
子どもの学費などが必要な時のために、必要な額のお金は準備しておかなくては。
そうなんです。目先の運用では上がったり下がったりを繰り返しながら、結果的に年2%~5%位増やせればいいなという感じです。必要な時が値下がりしている時期だと大変ですからね。
パート主婦や専業主婦の方におススメの投資
パート主婦や専業主婦の方におススメの投資ってありますか?
やはり、「iDeCo」か「つみたてNISA」がいいと思います。
ただ、「iDeCo」を使う場合は注意が必要です。
その前に、しばちゃん「iDeCo」や「NISA」の税金面でのメリットって知ってる?
お任せください!
たしかー、こうですよね。
「NISA」は、金融商品の運用益に対する20.315%の税金が非課税になる。
「iDeCo」は、拠出時の掛金、老齢給付金の受取時に税制優遇の対象だし、「NISA」と同じく金融商品の運用益に対する20.315%の税金も非課税になる。
タイミング | NISA | iDeCo | |
---|---|---|---|
税優遇 | 拠出・投資 | - | 全額所得控除 |
運用時 | 商品の運用益が非課税 | 商品の運用益が非課税 | |
受取時 | - | 退職所得控除、公的年金控除 |
↑横スワイプでご覧いただけます。
しばちゃん、すごい!! 完璧!!!
この中で、iDeCoの「全額所得控除」というところに注目してください。
そもそも、夫の所得控除として配偶者控除を受けている妻は、収入が103万円以下だと所得税という税金がかかっていないんです。だから、パートで働いている方は、この103万円以内で勤務している方が多いのではないでしょうか?
そのため、iDeCoの「全額所得控除」のメリットが活かせないんです。これは、専業主婦で所得がない人も同じです。
要するに、専業主婦や収入が103万円以下のパート主婦の方には、「iDeCo」はメリットが少ないんですね。
「拠出時の所得控除を受けられない」という意味では、そうなんです。
家計から限られた金額で運用を行うとすれば、「NISA」か「iDeCo」のどちらかを選ぶことになりますよね。
「iDeCo」は、運用益も非課税になるし、原則60歳以降の受給年齢に達するまでは資産を引出すことができないので、老後資金を確実に準備したいなら、「iDeCo」を選ぶという方法も良いのではないでしょうか。
所得がない専業主婦や収入が103万円以下のパート主婦の方は、所得税や住民税を払っていないため、「iDeCo」の大きなメリットが受けられないので、「つみたてNISA」を選ぶという考え方もあると思います。
「つみたてNISA」って、今、人気急上昇中ですよね。
Raseekメンバーのがんちゃんも、COLUMNで紹介していましたね。
「つみたてNISA」は、少ない積立額から気軽にスタートできるので、投資ビギナーにおススメの投資信託なんです。
〈ろうきん〉の場合は、月々5,000円から1,000円単位で積立額を設定できます。
【おススメポイント 1 】
年間40万円までは非課税で運用できるので、増えた利益を全額受取ることができます。
通常の投資信託だと、運用益のうち一律20.135%の税金がかかります。
【おススメポイント 2 】
非課税期間は、最長20年。
マイホームの購入資金や子どもの教育資金などの目的で、将来のために、コツコツ積立てやすいですね。
【おススメポイント 3 】
20歳以上で国内にお住いの方なら誰でも、スタートできます!
※同一年に、「つみたてNISA」と「一般NISA」の両方を利用することはできません。
「iDeCo」は老後資金をつくるのには良いのですが、口座の維持管理に毎月手数料が発生するので、「iDeCo」か「つみたてNISA」のどちらにするかはよく考えて決めましょう。
基本的にパート収入が103万円以下なら「つみたてNISA」ですね。
そうですね。
でも、もう少し働きたいけど年収が103万円を超えると夫の会社の配偶者控除が外れたり、年収が130万円を超えると社会保険に入らないといけないので、パート収入を調整している人もいるかと思います。
そんなパート主婦の方は、iDeCoを有効活用できると思います。
なぜなんですか?
たとえば、年収127万円の想定でiDeCoの節税額をシミュレーションしてみますね。
毎月2万円の掛金を拠出したとすると、1年間の拠出額すなわち所得控除の額は24万円となります。
年収127万円からiDeCoの掛金24万円を所得控除すると給与所得は103万円となり、年収127万円で本来課税されるはずの所得税・住民税合わせて3.6万円程度を節税することができます。
この場合、大企業でなければ社会保険に加入しなくても良い範囲内(130万円未満)なので、結局127万円働いても、iDeCoを活用することで所得は103万円となり、今まで通り所得税がかからないということになります。
えーっと、つまり、こういうことですか?
収入が127万円あっても、iDeCoを利用することで月々2万円・年間24万円を年収から控除できるから。
となって、所得税がかからない。
しばちゃん、そーいうことです。
老後資金だったら原則iDeCo。
だけど、専業主婦やパート収入が103万円以下の方は、手数料などを考えると「つみたてNISA」の方がおススメ。
老後までに使う予定があれば、「つみたてNISA」。
こんな感じで考えてもらうといいですよ。
しっかり情報を集めて「お金に強い主婦」をめざしてくださいね。
「iDeCo」についてくわしくは、〈ろうきん〉のスペシャルサイトもご覧ください。
つみたてNISAやNISAに興味がある方は、あなたにピッタリはどっち?~おすすめNISA診断~も活用してくださいね。
今回も勉強になりました。
ありがとうございました!!
人生100年時代を乗り切る資産運用
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くらしとお金のコンサルタント
お金のことだけでなく、その人らしさや心の持ち方などの重要性に気付き2015年に三世代充実生活研究所を設立。子どもから高齢者まで各世代への相談業務やセミナー講演会の講師を務めるファイナンシャル・プランナー(以下FP)。約30年のFP経験で、2,000回以上の講演会やセミナーを実施。日々お客さまからのご相談に真摯に取組み、不安や悩みを解決しています。
- 髙橋 佳良子氏のホームページはこちら
- https://sansedai-oyakomago.jp/