おひとりさまが準備しておきたい
これからのお金と暮らし
人生100年時代の「幸せのカタチ」はさまざま。
受け身ではなく、積極的に自分が自分を幸せにすることが大切です。
さて、ここからは
あなたにとっての経済的な幸せのカタチをイメージしていきましょう。その一つは、ずばり「お金」。
かといって、3千万円、5千万円、1億円と資産を増やすということではなく、これからの人生においてお金に困らないように算段をしておくということ。そして、できるなら少し余裕を持てるように備えることです。
以下の表は、「年代別・おひとりさま(単身)世帯と2人以上の世帯別金融資産」で比較したものです。金融資産のない世帯は単身世帯が多く、資産額はやはり2人以上世帯が多くなっています。
年代別・おひとりさま(単身)世帯と
2人以上の世帯別金融資産
金融資産のない世帯(%) | 金融資産の平均(万円) ※資産のない世帯含む |
金融資産の中央値(万円) ※資産のない世帯含む |
||||
---|---|---|---|---|---|---|
2人~ | 単身 | 2人~ | 単身 | 2人~ | 単身 | |
20代 | 35.7 | 42.1 | 214 | 176 | 200 | 110 |
30代 | 23.9 | 32.4 | 526 | 494 | 390 | 270 |
40代 | 26.1 | 35.8 | 825 | 657 | 500 | 374 |
50代 | 24.4 | 39.6 | 1,253 | 1,048 | 810 | 610 |
60代 | 20.8 | 28.5 | 1,819 | 1,388 | 1,270 | 950 |
70代 | 18.7 | 28.3 | 1,905 | 1,433 | 1,200 | 1,000 |
全世帯 | 23.1 | 34.5 | 1,291 | 871 | 750 | 450 |
出典:家計の金融行動に関する世論調査・金融広報中央委員会(2022年)
一方、以下の表は「金融資産を持っている世帯だけの年収別の金融資産保有額の平均を比較」したものです。こちらは、金融資産を持っている世帯のみで金融資産の平均金額をみると、おひとりさま(単身)世帯の方が多いという結果になっています。単身世帯にもいろいろありますが、貯めようと思えば教育費などがかからない分、お金を貯めることができそうです。
金融資産を持っている世帯だけの
年収別の金融資産保有額 (単位:万円)
金融資産保有額平均 | 2人~ | 単身 | |
---|---|---|---|
年間収入別 | 収入はない | 639 | 966 |
300万円未満 | 960 | 1,120 | |
300~500万円未満 | 1,376 | 1,071 | |
500~750万円未満 | 1,503 | 2,354 | |
750~1,000万円未満 | 2,067 | 3,504 | |
1,000~1,200万円未満 | 2,922 | 5,313 | |
1,200万円以上 | 4,127 | 6,197 | |
持家別 | 持家 | 1,961 | 2,091 |
非持家 | 985 | 858 |
出典:家計の金融行動に関する世論調査・金融広報中央委員会(2022年)
ただし、収入面は【ジェンダーギャップ指数】世界125位の日本において女性は男性と比べると少ないです。これは、老後の公的年金も同じ。
しかし、なるべく若いうちから正社員として働く、昇進を受ける、スキルを磨いて転職も考えるなど収入面の改善を行う働き方はできるはず。さらに、退職後に収入が下がってもなるべく長く働いて収入を維持することをお勧めします。起業も良いかもしれません。もし現在貯蓄が少なく、将来親の資産もあてにできないのであれば、今だけでなく、将来も含めたお金の算段は必須。
具体的に老後の資金がいくら必要か、公的年金はどのくらい受け取れるかということは、「知って安心!人生の3大資金 老後編」でお話ししましたのでご確認ください。
おひとりさまの場合、「将来家がないと不安」「家賃を払うのがもったいない」「不動産は将来的に資産になる」という理由で、マンションを購入する人が多いようです。
ただし、購入するにはファミリー世帯よりも老後迄のしっかりした暮らしとお金の算段が必要です。
マイホーム購入後も充分な資産が残り、老後まで心配ないのならよいのですが、転職や病気、親の介護などによる収入の低下に対応できる対応策をもっていますか?
現在の働き方で30年、40年と最後まで住宅ローンを払い続けられるのか、ローンのほかに月々の管理費や修繕積立金、火災保険、固定資産税、リフォーム費用もありますが、それらの支払も計画に入れていますか?
もし賃貸なら、住み替えで不測の事態の対応が可能です。
賃貸かマイホームかしっかり考えて結論を出しましょう。
ところで、筆者の周囲のおひとりさま女性たちは、将来気の合う仲間たちと戸建てのシェアハウスに住んでお互い助け合おうと盛り上がっています。これから益々おひとりさまは増えそうです。人生100年時代は、さまざまな世代が集まって他人と共生する時代が来るんだろうと思っています。
第3回目は、おひとりさまの終活3点セット
お楽しみに。
くらしとお金のコンサルタント
お金のことだけでなく、その人らしさや心の持ち方などの重要性に気付き2015年に三世代充実生活研究所を設立。子どもから高齢者まで各世代への相談業務やセミナー講演会の講師を務めるファイナンシャル・プランナー(以下FP)。約30年のFP経験で、2,000回以上の講演会やセミナーを実施。日々お客さまからのご相談に真摯に取組み、不安や悩みを解決しています。
- 髙橋 佳良子氏のホームページはこちら
- https://sansedai-oyakomago.jp/