今回から、女性のみなさんに5回にわたって「人生100年時代を乗り切る資産運用」というテーマでお話させていただきます。どんなことをお話ししようかと、今からワクワクしています。
こんにちは。 ファイナンシャル・プランナー(CFP)の髙橋佳良子です。
こんにちは。社会人6年目、Raseekメンバーのしばちゃんです。
「Raseek」読者のみなさんといっしょに、資産運用のことをこれから勉強したいと思っています。
高橋先生、 私も今からワクワクしています!
しばちゃん、よろしくお願いします。
さっそくですが、みなさんは、お金が好きですか。
「もちろん大好きです!」「いくらあっても困りません~」なんて言う声が聞こえてきそうです。きっとみなさん大好きですよね。FP歴30年の私もさすがに「お金が嫌いだ」という人にまだお会いしたことはありません(笑)
でも、「家計の節約」に力を入れる人は多いわりに、「資産運用」について考えている人はまだまだ少ないのが現状です。家計の節約のやり方はなんとなくわかるものの、お金を増やすとなると「どうしていいかわからない」「リスクが怖い」と思う方が少なくないのではないでしょうか。
私は、なんとなく先のことを考えて貯蓄はしているのですが……。
そろそろ人生100年時代に突入しそうです。とにかく人生が長くなったので、なるべく長く働いてお金を稼ぎながら同時にお金を蓄えていくことが大切です。
そのためには、やはり長期プランが必要。いつ頃、いくらくらいのお金が必要かを知ることが重要なんです。そうでなければ、いくら貯めればいいのかわからないので、ついついお金を増やすことは後回しになってしまいます。
それでは、くわしくお話していきましょう。
いつ頃、いくらくらいのお金が必要?
たとえば、みなさんは人生の三大資金をご存じですか?
え~っと、住宅資金、教育資金、老後資金ですよね。
その通り!しばちゃん、さすがです。
人によって価値観もライフイベントも異なるので一概には言えませんが、大体どれくらい必要か、イメージをつかんでみてください。
ざっと、こんな感じです。
結構かかりますね……。しかも、必要なお金ってこれだけじゃないですよね?おいしいものも食べたいし、ステキな洋服も買いたいし……。
他にも、車の購入、旅行や帰省、結婚資金、家電家具の買い替えなど、色々なお金が必要になってきますよ。
どれも、急には準備できない金額なので貯蓄が必要です。住宅のように一度に大きなお金が必要になると、ローンを組んで購入せざるをえないものもあります。それでも、頭金なしで購入するのは避けたいものです。
本当は、しっかりライフプラン表を作って人生の見通しを立てて欲しいところですが、まずはざっと必要なお金を意識してください。そして、将来必要になるお金を家計の中から「先取り貯蓄」していきましょう。
「先取り貯蓄」って、
っていう貯め方ですよね。
「余ったお金を貯めよう!じゃ貯まらない」という話はよく聞きます。
そのとおりです。
先取り貯蓄でお金を増やしていくためには2つの方法があります。
今回は、「②投資でお金にも働いてもらう」についてお話しますね。
投資でお金にも働いてもらう
髙橋先生、
「投資でお金にも働いてもらう」ってどういうことなんですか?
まず、日頃から皆さんが使っている「貯蓄」とはお金を蓄えることで、〈中国ろうきん〉の預金などがこれに当たります。「投資」とは増やすことに重点を置くもので利益を見込んでお金を出すことで、株式や投資信託などの購入がこの「投資」にあたります。値上がりや利益の分配などを通じて、預貯金よりも利益を得られる可能性が高いという性質があります。貯蓄と異なり、投資した元本よりも減ってしまうというリスクもあるので、貯蓄に比べていろいろと勉強も必要です。投資のタイミングも重要になってきます。 ということで、お金を株や投資信託に投資して運用することをお金に働いてもらうと言います。
そもそも、なぜ投資しなければならないかというと、残念なことに日本では20年以上も0金利が続いており、預金だけでお金を増やすことは大変難しいのが現状です。これは、世界的にも珍しい現象です。
普通預金、定期預金金利の推移
↑横スワイプでご覧いただけます。
- ※総務省統計局の統計資料より
- ※定期預金は、1988年〜2000年は預金期間1年以上2年未満の場合(1993年は3年未満)、2001年〜2020年は預金期間3年の場合
仮に100万円を預金しても10年たって100万200円。利息はたった200円です。(10年もの・適用金利0.002%の場合)
「投資」だと、仮に年利3%で10年運用できたら100万円が134万円、5%で運用できたら約163万円。この差が、20年、30年と続けばさらに収益の差が膨らんでいきます。
※あくまでもシミュレーションであり、金額を保証するものではありません。
そんなに差が出るんですね~!
ただし、教育資金やマイホーム資金を投資で増やすというイメージではなく、20年後30年後の老後資金をイメージして欲しいんです。
そもそも、老後資金は人生の三大資金の中でも一番遅くやってきます。目先に必要な住宅取得費や教育費の支出がやってくるため、若いころから準備するのが難しい資金ともいえます。
私は今23歳だから……、定年が65歳とすると……、老後って42年くらい先ってことですか?随分、先の話ですね。
そこで、月々少額からでも積立てながら20年、30年と大きく増やしていける積立投資がおススメなんです。みなさんも、「iDeCo(イデコ)」とか「NISA(ニーサ)」という、投資をしながら税制優遇が受けられる国の制度をお聞きになったことがあると思います。せっかくなので使ってみましょう。
ただし、「投資」だと常に収益があるかというとそういうわけでもありません。相場は上がったり下がったりするからです。でも、「どのような商品で投資するのか」という知識と「下がっていても我慢して相場が回復するのを待てる」こと、つまり「長い目でみていく」ことが必要です。
とはいえ、人によって必要になるライフイベントや金額が異なりますし、投資できる金額も異なります。そこで、次回からはライフスタイルを分けてお話を進めていくことにします。
あなたのライフスタイルはどのタイプ?
まずは、こちらのフローチャートでご自分がどのタイプなのかを確認してください。
↑横スワイプでご覧いただけます。
最初にお聞きしたいのは、既婚か独身か。
独身の場合、20代、30代は結婚して子どもを持つかもしれないことを視野に入れた「投資」が必要です。40代を超えるとそろそろ「おひとりさま」の可能性も視野に入れた投資が必要になります。
もちろん、世代は関係なくどちらの可能性も持ちながら老後に向けて準備していくことが必要です。くわしいことは、次回以降で。
次に、「共働き」か「専業主婦・パート(夫の扶養に入っている)」かに分かれます。
投資に回せる資金力がどのくらいあるか、自分で税金を払っているかという点がポイントになります。なぜなら、投資をしながら節税もできる可能性があるからです。
そして、最後に子どもが「いる」か「いない」かです。
ちなみに、近年シングルマザーも多くなりました。
とにかく、人生の三大資金のところでもお話しましたが、子どもがいると教育費に1人1,000万円、3人いると3,000万円と膨らんでいきます。このほか月々の食費なども考えると・・・結構家計にも影響が大きいですね。
私は兄がいますが、うちの両親も、そうやって私たち兄弟を育ててくれたんですね。
はい。私は今のところ独身ですが、これからのライフプランが変わる度に、投資に対する考え方も少しずつ見直していけばいいんですね。
髙橋先生、2回目からも楽しみです!
よろしくお願いします!!
くらしとお金のコンサルタント
お金のことだけでなく、その人らしさや心の持ち方などの重要性に気付き2015年に三世代充実生活研究所を設立。子どもから高齢者まで各世代への相談業務やセミナー講演会の講師を務めるファイナンシャル・プランナー(以下FP)。約30年のFP経験で、2,000回以上の講演会やセミナーを実施。日々お客さまからのご相談に真摯に取組み、不安や悩みを解決しています。
- 髙橋 佳良子氏のホームページはこちら
- https://sansedai-oyakomago.jp/