共働き夫婦も専業主婦・パート夫婦も
シングルも必見!
第3回目は、人生100年時代の終盤である「老後編」です。今回は、「老後に入ってくるお金」に焦点をあててお話を進めていきます。
それでは、質問です。
あなたは、ご自身や配偶者の
「退職金」や「公的年金」の具体的な金額をご存知ですか?
実は、セミナーやご相談の時にも同じ質問をするのですが、知らないと回答する方がほとんどです。これでは、老後にいくら貯めればいいのかわかりません。
そこで、今回は事例をあげながら受取ることができる金額のイメージを掴んでいただき、実際にご自身の退職金や年金額を確認していただけるようにしたいと思います。
まずは、退職金です。
下の「学歴・職種、勤続年数階級、企業規模別定年退職者退職給付額(2018年)」の表を見ていただくと、全企業の平均が大学卒で2,173万円、高校卒(管理・事務・技術職)で1,954万円、高校卒(現業職)で1,629万円となっています。学歴や職種だけでなく、企業の規模によっても退職金の受取額が大きく変わることがわかります。
あなたのお勤め先の企業でも退職金規定が作られているはず。担当部署に確認できるようでしたら、将来いくらくらい受取ることができそうかたずねてみましょう。労働組合に退職金のモデルケースをたずねてみるのもいいでしょう。
学歴・職種、勤続年数階級、
企業規模別定年退職者退職給付額
退職給付額※35年以上勤務の場合 | |||||
---|---|---|---|---|---|
学歴・職種、 勤続年数 階級 |
企業 規模計 |
1,000人以上 | 300~999人 | 100~299人 | 30~99人 |
大学・大学院卒 (管理・事務・技術職) |
2,173万円 | 2,435万円 | 1,957万円 | 1,785万円 | 1,501万円 |
高校卒 (管理・事務・技術職) |
1,954万円 | 2,328万円 | 1,673万円 | 1,572万円 | 1,252万円 |
高校卒 (現業職) |
1,629万円 | 1,965万円 | 1,286万円 | 1,111万円 | 861 万円 |
※「退職給付額」は、2017年1年間における勤続20年以上かつ年齢45歳以上の定年退職者の値であり、併用の場合は、退職一時金額と年金現価額の計である。
就労条件総合調査 / 2018年_就労条件総合調査 退職給付(一時金・年金)の支給実態 厚生労働省
次は、公的年金です。
毎年送られてくる「ねんきん定期便」には、大切な情報が書かれています。50歳未満の方は、これまで納めてきた保険料で将来の年金がいくらくらい受取れるかを知ることができます。また、50歳以上の方は、このままの年収で60歳まで働いた場合に65歳から受取ることのできる年金受給額が書かれています。
まさか、毎年中身を確認せずに捨てているということはないですよね(笑)
「ねんきんネット」に登録・ログインすると現状や今後の年収を想定して年金受給額のシミュレーションを行うこともできます。
まずは、以下の「現在の公的年金の受給額」を参考にしてください。
現在の公的年金受給額(月額)
平均年金月額を用いて作成。実際の受給額は
ねんきん定期便などで確認してください。
厚生労働省年金局 「2021年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」より筆者作成
夫婦世帯 | |
---|---|
夫婦ともに厚生年金 | 27万8,267円 |
夫が厚生年金+妻が国民年金 | 22万3,352円 |
夫が国民年金+妻が厚生年金 | 16万8,274円 |
夫婦ともに国民年金 | 11万3,359円 |
夫婦それぞれの年金種類によって差が出る
シングル世帯 | |
---|---|
男性・厚生年金 | 16万9,006円 |
女性・厚生年金 | 10万9,261円 |
男性・国民年金 | 5万9,013円 |
女性・国民年金 | 5万4,346円 |
おひとりさまの老後の年金は少ない
(資料)三世代充実生活研究所
男女で年金額が大きく異なるのは、昔は男女の収入の差が大きく、それが現在の年金受給額に反映されているからで、今後は少しずつ改善されていくと思われます。
最後は50代以降の年収の変化について。
一般的には、50歳~55歳で何割か下がり、退職後の再雇用でさらに6割~8割程度になります。定年退職の年齢や再雇用時の収入がどうなるのかを把握しておきましょう。
退職金や老後の収入がいくらなのかによって一人一人準備すべき老後資金が異なります。
「なんとかなるさ…」では、なんとかならない時代です。老後の収入についてある程度の金額を把握しておきましょう。
くらしとお金のコンサルタント
お金のことだけでなく、その人らしさや心の持ち方などの重要性に気付き2015年に三世代充実生活研究所を設立。子どもから高齢者まで各世代への相談業務やセミナー講演会の講師を務めるファイナンシャル・プランナー(以下FP)。約30年のFP経験で、2,000回以上の講演会やセミナーを実施。日々お客さまからのご相談に真摯に取組み、不安や悩みを解決しています。
- 髙橋 佳良子氏のホームページはこちら
- https://sansedai-oyakomago.jp/