MONEY

おひとりさまが準備しておきたい
これからのお金と暮らし
第1回 事前の準備がセカンドライフの安心と快適度を決める 編

さて、今回から3回シリーズで「おひとりさまが準備しておきたいこれからのお金と暮らし」が始まります。お子さんがいないご夫婦も、ぜひ参考になさってください!
現在「おひとりさま」の方も、もしかしたら将来的に「おひとりさま予備軍」かもと思っている方も、安心して老後を過ごせるように、どんなことを考えて準備すればお金と暮らしを安心快適にできるのかお話ししていきます。

まずは、「おひとりさま」の定義です。

どんな境遇の方のことを「おひとりさま」と言うのでしょうか。

  • 1.生涯独身の方
  • 2.配偶者と死別して一人になった方
  • 3.離婚して一人になった方
  • 4.諸事情ありで一人の方

「2・3」の方もお子さんがいらっしゃらなければ、おひとりさまです。
「4.諸事情あり」の方は、家族と縁を切っている、子どもがいるけど疎遠、頼りにならないだろうと判断した方々です。 こう定義すると、筆者(現在は夫と子どもがいますが…)も含めて、誰もがおひとりさま予備軍と考えることができます。

仮に一人暮らしをおひとりさまと考えるなら、
令和4年版高齢社会白書(全体版)によると、65歳以上の一人暮らしは男女ともに増加傾向にあり、1980年には65歳以上の男女それぞれの人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%でしたが、2020年には男性 15.0%と3倍以上に、女性 22.1%と2倍となり、今後は 更に増えていく見込みです。

65歳以上の一人暮らしの者の動向

↑横スワイプでご覧いただけます。

資料:2020年までは総務省「国勢調査」による人数、2025年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2018(平成30)年推計)による世帯数

(注)「一人暮らし」とは、上記の調査・推計における「単独世帯」又は「一般世帯(1人)」のことを指す。

これから人生100年の超高齢社会となれば、おひとりさまはどんどん増加して、どうしても高齢期には医療や介護に頼る生活になる可能性が高くなるでしょう。

そのため、高齢期を元気に生きるための準備はもちろん、寝たきりや認知症への備えも必要になります。つまり、配偶者や子どもに頼ることが難しい「おひとりさま」は、今まで以上に安心で快適な暮らしを続けるためには準備が重要だということです。

おひとりさまは、色々な万一に備えた準備が必要です。

例えば、

01
お金のこと

生活費のやりくり/財産管理/病気や介護の費用/相続/保険…

02
住まい

老後の住まい/持ち家の処分/荷物の整理/老人ホームなどの施設入所

03
医療や介護

病院に搬送されたら誰に頼る?/延命治療はどうする?/介護は誰にまかせる?/保険は誰に委ねる?/認知症になったら面倒を見てくれる人や団体は?

04
身元保証人

入院や施設入所の保証人は?/事務手続きなどを頼める人は?

05
死後のこと

遺体を引き取ってくれるのは誰?/死後の事務手続きをお願いできるのは誰?/相続や遺産分割/葬儀や墓は?/遺品整理は?/ペットは誰に頼む?

06
病気やうつになったら

いつでも頼れる人や団体は?/親族やご近所とのつながりは?

おひとりさまの場合、さまざまな決断を一人で行うことになります。それでも、70代くらいまでは兄弟姉妹や友人たちとの交流もでき、懇親や相談、何かあれば世話を焼いてもらうこともできます。しかし、周囲の人たちが歳を重ねて、80代、90代となれば自然に付き合いも減ってきます。そうなった時にも、尊厳をもって自分が自分らしく生きていくことができるように、若い頃からの準備の積み重ねが大切なんです。

髙橋佳良子

それでは、次回からはおひとりさまが100歳になるまで安心して快適に暮らしていくために必要な具体的なお話をしていきたいと思います。

第2回目は、おひとりさまとお金について

第3回目は、おひとりさまの終活3点セット

お楽しみに。

Profile

くらしとお金のコンサルタント
髙橋 佳良子

お金のことだけでなく、その人らしさや心の持ち方などの重要性に気付き2015年に三世代充実生活研究所を設立。子どもから高齢者まで各世代への相談業務やセミナー講演会の講師を務めるファイナンシャル・プランナー(以下FP)。約30年のFP経験で、2,000回以上の講演会やセミナーを実施。日々お客さまからのご相談に真摯に取組み、不安や悩みを解決しています。

髙橋 佳良子氏のホームページはこちら
https://sansedai-oyakomago.jp/