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共働き夫婦も専業主婦・パート夫婦も
シングルも必見!
知って安心!人生の3大資金 -第2回 教育費編-

第2回目となる今回は、いくらかかるか、いくらかけられるのか非常に悩ましい「教育費編」です。
文部科学省の2022年度の学校基本調査によると、2022年の大学(学部)進学率は56.6%で過去最高となりました。

さて、それでは質問です。

私立大学文系に進学した場合、
1年間にかかる在学費用の平均はいくらでしょうか?

答えは、152万円。

※2021年度「教育費負担の実態調査結果」 株式会社日本政策金融公庫より

1年間の教育費負担が152万円だと、4年間で約600万円。他に入学金等費用80万円程度、県外に進学した場合は、他にも住まいや生活費の仕送りも必要になってきます。仕送りや家賃が月に8万円なら合計で約1,000万円強かかる試算です。
実際には進学する大学によって学費が異なるので一概には言えませんが、子どもたちがどのような進路を取るかによって教育費は大きく異なります。

国公立・私立別にみた
大学の1年間の在学費用
(子ども1人当たりの費用)

  • 注1:在学費用…学校教育費(授業料、通学費、教科書代など)・家庭教育費(塾の月謝、おけいこごとの費用など)
  • 注2:在学費用は、2021年度における見込額である。

※株式会社日本政策金融公庫「2021年度 教育費負担の実態調査結果」より

もし、わが子が将来メジャーリーガーの大谷翔平選手のようになるとわかっていれば、幼いころから惜しみなくお金をかけることができるのですが、彼のようなケースはほんの一握り。
このように考えると、親にとっては「教育費はいくらかかるか」ではなく「いくらかけられるか」が基本となります。高校卒業までは収入の範囲内で教育費を捻出しながら、同時に大学進学に向けての貯蓄が必要です。
しかも、兄弟姉妹がいれば2倍3倍とかかる費用も増加していきます。
そのため、子どもが小さなころから習い事も含めた教育費のかけ方を夫婦で話し合っておくことが必要です。今だけでなくお子さんが将来を描き始める大学進学時にも教育費を出し続けることができるかを考えておきましょう。
教育費が不足した時に、親や祖父母世帯からの援助が期待できるなら早めに話しておくことも必要です。

以下は、幼稚園から高校3年生までの15年間の進学コース別学習総費用についての調査結果です。やはり、小学校・中学校・高校と公立か私立へ進学するかでかかる費用が2倍以上異なります。

2021年度における幼稚園3歳から
高等学校第3学年までの
15年間の学習費総額

↑横スワイプでご覧いただけます。

(参考)公立・私立学校に通う全幼児・児童・生徒数全体に占める公立・私立学校に通う者の割合(2021年度)
幼稚園(公立:12.8% 私立:87.2%) 小学校(公立:98.7% 私立:1.3%)
中学校(公立:92.3% 私立:7.7%) 高等学校(全日制)(公立:65.6% 私立:34.4%)

※高等学校(全日制)の生徒は、本科生に占める公立・私立の割合である。

(資料)文部科学省「2021年度学校基本統計(学校基本調査報告書)」

ちなみに、関東や関西でお受験が多い理由は、早い段階で私立大学の系列校に入ればエスカレーター式で大学に行けるという前提があるからです。
あの、芦田愛菜さんも慶応大学中等部から慶應義塾大学女子高等学校、そして慶應義塾大学に進学しました。慶応義塾女子高等学校から慶應大学の進学率は90%を超えるそう。慶応大学付属高校のホームページにも「2022年度卒業生数724名。うち慶應義塾大学に推薦された者711名。(その他の進路を選んだ者は13名)」とありました。大学によって難易度もさまざまですが、他の系列の私立高校も同じような状況です。

それを考えたときに、中国地方でも系列の私立大学への進学を見越した受験をしているのでしょうか?それは恐らく少ないでしょう。そう考えると、小学校受験、中学校受験(中高一貫校)、大学受験と受験を繰り返すのは、子ども自身も大変ですが、受験費用、塾代などがその都度かさむため親も大変です。受験を考える時には将来を見越して親子でしっかり計画を練りましょう。
ご家庭のお金の状況は異なります。

髙橋佳良子

地方だからこそ、費用対効果も考えた無理のない教育費のかけ方を吟味したいものですね。

Profile

くらしとお金のコンサルタント
髙橋 佳良子

お金のことだけでなく、その人らしさや心の持ち方などの重要性に気付き2015年に三世代充実生活研究所を設立。子どもから高齢者まで各世代への相談業務やセミナー講演会の講師を務めるファイナンシャル・プランナー(以下FP)。約30年のFP経験で、2,000回以上の講演会やセミナーを実施。日々お客さまからのご相談に真摯に取組み、不安や悩みを解決しています。

髙橋 佳良子氏のホームページはこちら
https://sansedai-oyakomago.jp/