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5分でわかる! 女性のためのマネー講座「私の老後はどうなるの?」~第3回 理想の貯蓄率の考え方~

髙橋佳良子

こんにちは。
三世代充実生活研究所所長の髙橋佳良子です。

さて、今回もこんなデータからみていきましょう。

コロナで貯蓄率アップ!?
家計の貯蓄率

↑横スワイプでご覧いただけます。

※(データ出所)内閣府「国民経済計算」

30年近く前から貯蓄率は下がり続けていますが、2019年の4%弱から一転、2020年には一気に13.1%まで上昇、2021年は9.5%と下がったものの、このデータでは貯蓄率が高くなったというイメージですね。

point

ちなみに、あなたはご自身の可処分所得(手取り)をご存知ですか?
可処分所得(手取り)の計算方法

可処分所得(手取り)=①年収-(②所得税・③住民税+④社会保険料)

年収
総支給額のこと。賞与や時間外労働手当などが含まれます。毎年12月から1月にかけて会社から発行される源泉徴収票の中の「支払金額」の欄が年収に相当します。
所得税
所得にかかる税金のこと。所得に所得税率を掛けて計算されます。サラリーマンは毎月の給料から源泉徴収で差し引かれます。
住民税
都道府県や市町村に支払う税金のことで、住民税は一律10%です。サラリーマンは毎月の給料から控除されます。
社会保険料
健康保険や厚生年金、雇用保険、介護保険のこと。サラリーマンは毎月の給料から控除される。健康保険や年金、雇用保険は労使折半(事業者が半分、労働者が半分)か、もしくは事業者の負担が大きくなっています。

我が家の手取り額(可処分所得)=“自由に使えるお金”のことです。源泉徴収票や給与明細で確認しておくと、貯蓄がどのくらいできるかを確認しやすいですね。

さて、一気に貯蓄率が上がった理由とは?

貯蓄率が上がった理由は、コロナ渦のこんな理由からです。

  • 定額給付金が支給されたこと
  • 旅行など外出ができず大きな支出が減ったこと

そもそも、2019年に消費税が10%に、他にも毎年のように税制や社会保険料の改正で家計の厳しい状況が続いています。勤め先が旅行や飲食関連など、業種によっては売上げの下落で年収が下がったという方もあるでしょう。現在は貯蓄ができやすい家庭とできにくい家庭に分かれていることも確かです。なので、「ここでは一般家庭では〇〇%貯蓄しましょう!!」とは言わないようにします。

重要なのは工夫しながら上手に貯めて上手に使うこと。そういう意味でどんな商品で貯めて(増やして)いくかも重要です。

それぞれの家庭で、子どもがいる・いない、いれば進学先の違い、マイホームを持ちたいのかどうか・・・によって将来必要な金額が違うからです。実家からの援助の違いもありますね。そう考えると、貯蓄率にとらわれることなく、他の人と同じようにではなく、我が家はどのような暮らしぶりで、お金をどう工面していくのかを真剣に考えたいものです。「塾に行かせなきゃ」「家を買わなきゃ」など、〇〇しなきゃいけないという思い込みを外すと案外楽になるかもしれません。

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今回のひとこと

髙橋佳良子

万全な準備をすることはできません。ある程度準備をしたら、不安と折り合いをつけてうまいこと生きることを考えましょう。
以前こんな話を聞きました。
老後のためにと生活費を削って、これで安心という金額の個人年金保険に加入していたそうです。一生懸命頑張って何十年も保険料を払ってきたのに、受け取るときには月に1万円足らず・・・。
インフレでお金の価値が下がってしまい悔しい思いをしたのだとか。これなら、家族でおいしいものを食べたらよかったと後悔したそうです。これが25年位前のお話です。でも、もう一つ気づいて欲しかったのは、老後資金用に運用する商品をインフレにも対応できるように考えて選んでもらいたかったということです。

巷では、悪いインフレの足音が聞こえてきました。

あなたは時代の変化にどのよう折り合いをつけて暮らしていきますか?

次回のテーマは、
【第4回】 「会社員が年金を増やせる3つの方法!!」です。
具体的な内容に踏み込んでいきますので、ぜひご覧ください。

Profile

くらしとお金のコンサルタント
髙橋 佳良子

お金のことだけでなく、その人らしさや心の持ち方などの重要性に気付き2015年に三世代充実生活研究所を設立。子どもから高齢者まで各世代への相談業務やセミナー講演会の講師を務めるファイナンシャル・プランナー(以下FP)。約30年のFP経験で、2,000回以上の講演会やセミナーを実施。日々お客さまからのご相談に真摯に取組み、不安や悩みを解決しています。

髙橋 佳良子氏のホームページはこちら
https://sansedai-oyakomago.jp/